けるは、わが聽くところに誤りなくは汝のたましひは怯懦にそこなはる 四三―四五
夫れ人しば/\これによりて妨げられ、その尊きくはだてに身を背くることあたかも空しき象《かたち》をみ、臆して退く獸の如し 四六―四八
我は汝をこの恐れより解き放たんため、わが何故に來れるや、何事をきゝてはじめて汝のために憂ふるにいたれるやを汝に告ぐべし 四九―五一
われ懸垂の衆とともにありしに、尊き美しきひとりの淑女の我を呼ぶあり、われすなはち命を受けんことを請ひぬ 五二―五四
その目は星よりも燦《あざや》かなりき、天使のごとき聲をもて言《ことば》麗しくやはらかく我に曰ひけるは 五五―五七
やさしきマントヴァの魂よ(汝の名はいまなほ世に殘る、また動《うごき》のやまぬかぎりは殘らん) 五八―六〇
わが友にて命運の友にあらざるもの道を荒《さ》びたる麓に塞がれ、恐れて踵をめぐらせり 六一―六三
我は彼のことにつきて天にて聞ける所により、彼既に探く迷ひわが彼を助けんため身を起せしことの遲きにあらざるなきやを恐る 六四―六六
いざ行け、汝の琢ける詞またすべて彼の救ひに缺くべからざることをもて彼を助け、わが心を慰めよ 六七
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