て尊きローマ及びその帝國の父となりたればなり 一九―二一
かれもこれもげにともに定めに從ひて聖地となり、大ピエロの後を承くる者位に坐してこゝにあり 二二―二四
彼かしこにゆき(汝これによりてかれに名をえしむ)勝利《かち》と法衣《ころも》の本となれる多くの事を聞きえたり 二五―二七
その後|選《えらび》の器《うつは》、救ひの道の始めなる信仰の勵《はげみ》を携へかへらんためまたかしこにゆけることあり 二八―三〇
されど我は何故に彼處《かしこ》にゆかむ誰か之を我に許せる、我エーネアに非ず我パウロに非ず、わがこの事に堪ふべしとは我人倶に信ぜざるなり 三一―三三
されば我若し行くを肯はゞその行くこと恐らくはこれ狂へるわざならん、汝は賢《さか》し、よくわが言《ことば》の盡さゞるところをさとる 三四―三六
人その願ひを飜し、新なる想《おもひ》によりて志を變へ、いまだ始めにあたりてそのなすところをすべて抛つことあり 三七―三九
我も暗き山路《やまぢ》にありてまたかくのごとくなりき、そはわが思ひめぐらしてかくかろがろしく懷けるわが企圖《くはだて》を棄てたればなり 四〇―四二
心おほいなる者の魂答へて曰ひ
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