ゝ爭ひし低きイタリアの救ひとなるべし 一〇六―一〇八
すなはち※[#「彳+扁」、第3水準1−84−34]く町々をめぐりて狼を逐ひ、ふたゝびこれを地獄の中に入らしめん(嫉みはさきにこゝより之を出せるなりき) 一〇九―一一一
この故にわれ汝の爲に思ひかつ謀りて汝の我に從ふを最も善しとせり、我は汝の導者となりて汝を導き、こゝより不朽の地をめぐらむ 一一二―一一四
汝はそこに第二の死を呼び求むる古《いにしへ》のなやめる魂の望みなき叫びをきくべし 一一五―一一七
その後汝は火の中にゐてしかも心足る者等をみむ、これ彼等には時至れば幸なる民に加はるの望みあればなり 一一八―一二〇
汝昇りて彼等のもとにゆくをねがはゞ、そがためには我にまされる魂あり、我別るゝに臨みて汝をこれと倶ならしめむ 一二一―一二三
そは高きにしろしめす帝《みかど》、わがその律法《おきて》に背けるの故をもて我に導かれてその都に入るものあるをゆるし給はざればなり 一二四―一二六
帝の稜威《みいつ》は至らぬ處なし、されど政かしこよりいでその都も高き御座《みくらひ》もまたかしこにあり、あゝ選ばれてそこに入るものは福《さいはひ》なるかな 
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