ふにいたる時は却つてこれがために混亂の状態に變ずと
四六―四八
【血の河】地獄の川の一なるフレジェトンタ(地、一四・一三〇以下參照)
四九―五一
異本、あゝ失明の慾よ狂へる怒りよ
四九行よりは地の文なり
五二―五四
【告げし】地、二・三〇、三七―九
五五―五七
【チェンタウロ】ケンタウロス、暴びの代表なり、神話にいふ、この者胸部より上は人にして下は馬なりと
【世に住みて】ケンタクロスはもとギリシアのテッサリア山地の蠻民なりしを次第に誤り傳へて妖怪となせしなり、骨格逞しき山地の蠻民が肥馬に跨がつて狩にいでし姿はげに半人半馬の怪物群を成して横行するの風情ありしなるべし
六四―六六
【キロン】キロネ、ケンタウロスの一、クロノス神の子、天文、醫藥、音樂、狩獵の諸術に通じ兇猛なるケンタウロスの中にありてひとり異彩な放てり、ホメロスかつてこれをよびてケンタウロスの中の最も義しきものといへることあり、また善く人と親しみアキレウスの父ペレウスとテチスの媒となり又自らアキレウスの師となれり、ウェルギリウスが殊更にキロンをえらべるも此等の消息に通ぜるによりてなり
【禍ひをえき】死を抱くにいたれり(ネッソの條參照)
六七―六九
【ネッソ】ネッソス、神話に曰、ヘラクレスその妻デイアネラ(デイアニーラ)と旅してエウェノス河(ギリシア)に至れる時こゝにケンタウロス、ネッソスの川越人足をなしゐたるを見、妻をその背に托し自らまづ川を渡り岸に着きて後をみしにネッソスはデイアネラを負ひしまゝ逃げさらんとするところなりければ乃ち弓にてこれを射その矢ネッソスの胸を貫けり、ネッソス死に臨み血に染みし己が衣をデイアネラに與へこの衣には男の心を放れしめざる不思議の力ありと欺き教ふ、この後いくばくもなくヘラクレスの心他の女にうつれりとの評さかんなるなきゝデイアネラ乃ちネッソスの衣をこれに送れり、ヘラクレス之を着くるに及びて忽ちその毒に感じ苦悶甚しく遂にオエタ山上に死せり(オウィディウスの『メタモルフォセス』九・一〇一行以下)
七〇―七二
【胸をみる】沈思の状
【はぐゝめる】教育せる(六四―六行註參照)
【フォーロ】フォロス、ケンタウロスの一、テセウスの友ピリトウスとヒッポダーミアの婚姻の筵に招かれ酒に醉ひて暴れ廻り自ら死を招くにいたれり(オウィディウスの『メタモルフォセス』一二・二一〇以下)
八二―八四
【二の象
前へ
次へ
全187ページ中126ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
山川 丙三郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング