です。
 ……先生……一体私はこれから、どうしたらいいのでしょうか……。
 ……あの児の本当の父親は……レミヤ[#「レミヤ」は太字]の正当の夫は……イッタイ誰にきめたらいいのでしょうか……。

     ………………………………………………………………

 こう云い云いアルマ[#「アルマ」は太字]青年は、やっと顔を上げた。そうして流るる汗を拭い拭い、老ドクトル[#「ドクトル」は太字]、パーポン[#「パーポン」は太字]氏の顔を見上げたが、そのまま二三度眼をパチパチさせたと思うと、折角《せっかく》、タッタ今はめてもらったばかりの顎を、又も、ガックリと外してしまった。
 ドクトル[#「ドクトル」は太字]の顎が、いつの間にか外れていたので……。



底本:「夢野久作全集3」ちくま文庫、筑摩書房
   1992(平成4)年8月24日第1刷発行
入力:柴田卓治
校正:kazuishi
2000年10月25日公開
2006年3月11日修正
青空文庫作成ファイル:
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