裁判に於ても、この本領を空前絶後にまで発揮し得た事を嘉する。
 人類の文化は最早《もはや》絶頂に達した。最早鼻の神秘は破れて差し支えない時が来た。ダメス王の鼻に依って月の神と犢の神がこれを破った。ダメス王の鼻以前にダメス王の鼻無く、ダメス王の鼻以後にダメス王の鼻は無いのである。
 ダメス王の鼻は、魔神ラマムに与えらるべきものでない。
 余――ホリシスに与えらるべきものである」
 と云ううちにホリシス神はダメス王の鼻を口に入れてムシャムシャと喰ってしまいました。
 最前から秤の傍《かたわら》に待っていたラマムはこの様子を見ると、ベロベロと舌なめずりをしながら他の鼻を探しに暗黒世界に去りました。
 満廷の諸神は開《あ》いた口が塞《ふさ》がりませんでした。
 ……………………………………………………
 これは三千年前の神の裁判の判決でありますが、これを二十一世紀の今日に於ける鼻の表現の実際に徴して見ると、どんな事になるでありましょうか。

     無意識の表現
       ――鼻の動的表現(八)

 三千年前の「タータの記録」に依りますと、鼻は絶対不動という事になっておりますが、今日では
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