今日――。
それは世界歴史の頁《ページ》の大部分を犠牲とし、不可思議の国|埃及《エジプト》の王宮を舞台面として演出された、至大至高の鼻の表現劇ではなかったでしょうか。今日の人類の文化は、未だこの鼻の表現劇の影響から免れ得ていないのではありますまいか。
クレオパトラとアントニーは、各《おのおの》自分の鼻の表現に依って支配された運命に従って、スフィンクスの膝下に斃《たお》れたと伝えられております。
一方シーザーは、羅馬に於てブルタスの刃に刺されました。これはその鼻の野心満々たる表現が、識《し》らず識らずの裡に民衆の反感を買っていたのではないかと想像する事が出来るのであります。
人類史と謎語
――運命と鼻の表現(四)
こうして世界歴史の表面を飾る人々の鼻の表現は、人類進化の道程に於ける何等かの意義を象徴して、その時代の人々を導きました。それ等の人々の盛衰興亡に一新紀元を劃し、それ等の人々が作る文化の栄枯消長に一転機を与えました。そうして後世の人々に、何等かの霊的又は物的の暗示を残して行きました。
骸骨の塔の高さを誇る鼻の種族は、敵を見る事草木の如き剽悍《
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