》同様、ハイカラ風の吹き散らすに任せ、文化の雨がタタキ流すに任せております。
 しかし鼻の表現ばかりはそうは行かぬ。「天に口なし、鼻を以て云わしむる」という事を覿面《てきめん》に証拠立てるものであるという事が、もし本当に人類全体にわかったらどうでしょう。今云っている言葉、今やっている表現が、本当に心から出たのであるかどうかという事を即座に判決する裁判官が、自分の顔の真中に控えているという事が真実に一般に自覚されたらどうでしょう。
「そんな事があるものか」と笑う人の鼻の表現にはきっと負け惜《おし》みの色が動いているものであるという事が判明したら、そもそもどんな事になるでありましょうか。
 鼻の無い方が世間に何人おられるか存じませぬが、そんな方はお気の毒ですからここではイジメませぬ。さもない限りすべての鼻の持主は、正に人類文化の大革命、表現界の大恐慌として狼狽されるに違いありませぬ。

     鼻と文化生活
       ――悪魔式鼻の表現(十三)

 悪魔式鼻の表現の弱点をここ迄|抉《えぐ》り付けて来ますと、きっと次のように反対論者が世界中から攻撃の矢を向けるに違いありません。
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