れと一所に濃紅姫は、あまりの恐ろしさに気絶して、床の上にたおれてしまいました。
二十一 死の夢
それから何日経ったか、何時間経ったか知りませぬが、濃紅姫は不図《ふと》気がついて眼を開いて見ますと、自分はいつの間にか、今まで見た事もない美しい室《へや》の真中に寝台《ねだい》を置いて、その上に白い布団に包《くる》まって寝かされております。そうして頭の上に灯《とも》った絹張りの雪洞《ぼんぼり》から出る蒼白い光りで見ると、自分の左右には、御目見得の時に居た四人の女が宮女の姿をして、自分の介抱をしながら寝台の縁によりかかって、四人共いぎたなく睡《ねむ》っている様子です。
濃紅姫はまだ夢を見ている気で、又眼を閉じてスヤスヤと眠りました。するとこの時に寝台の蔭から一匹の蛇が宝石の鱗《うろこ》を光らせながらぬらぬらと這い上りました。そうしてスヤスヤと眠りに落ちている姫の懐《ふところ》に這い込んで、玉のようにふくらんだ乳房の下を静かに吸い初めました。そうして間もなく腹一パイに血を吸いますと、口からポタポタと吐き出しましたが、その血は皆燃え立つような紅玉《ルビー》になって、サラサラと濃紅
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