ょうだい》であった。
江馬兄妹はそこに作り附けられている人形使節か何ぞのように、無表情な両眼を一パイに見開いて、幕が降りてしまった舞台の中央を凝視していた。満場の人影が残らず消え失せてしまった後までもまだ揃って頬を硬ばらせたまま瞬《まばたき》一つせず、身動き一つしないまま一心に真紅の幕を凝視していた。
底本:「夢野久作全集10」ちくま文庫、筑摩書房
1992(平成4)年10月22日第1刷発行
※校正に当たって誤字脱字の可能性がある点については、「夢野久作全集5」三一書房、1975(昭和50)年6月15日第1版第4刷発行を参照しました。
入力:柴田卓治
校正:kazuishi
2001年7月24日公開
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