は驚いて尋ねました。
「その鉄槌で何をなさるのですか」
「これでみんなの頭をたたき割って殺して終《しま》うのだ。いいか。一度死んでしまえば、今度はお前たちの望みどおりいつまでも死なないのだぞ。サア、覚悟しろ」
 と云うや否や鉄槌をふり上げて睨みつけますと、酔っ払って動けなくなっていた宿屋の主人もお神さんも、番頭も女中も子供も一時に飛び起きて、
「ワア。人殺し」
 と叫ぶと、吾れ勝ちに梯子段のところへ来て、あとからあとから転がり落ちて逃げてゆきました。只あとには、豚吉とヒョロ子だけが残っております。
 無茶先生は豚吉のそばへ寄りまして、
「ウム、感心感心。貴様はこの鉄槌でなぐられたいのか」
 と云いますと、今まで真赤に酔っていた豚吉は、真青になってふるえながら拝みました。
「オ、オ、お助けお助け。ワ、ワ、私は、コ、コ、腰が抜けて、ウ、ウ、ウ、ウ、ウ、動かれないのです」
 と涙をポロポロこぼしました。
「ワハハハハハ。いつも意久地《いくじ》の無い奴だ。じゃあヒョロ子、お前はどうしたんだ。やっぱり腰が抜けたのか」
 とゆすぶって見ましたが、もうグーグーとねむってしまって返事もしません。
「ア
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