…」
 これをきくと、十人ばかり居た料理人が、みな仕事をするのをやめて、鍛冶屋の爺さんの顔を見ました。
「何だ。山男と鉄で作った人間に着せるのだというのか」
「そうです」
「フーン。それは面白い珍らしい話だ。それじゃ、この樽の中のゴミクタは何のために買ってゆくのだ」
「それはその山男がたべるのです。まだこのほかに豚の尻尾と七面鳥の足と、鶏の鳥冠《とさか》と牛の舌も買って来いと云いつけられました」
「何だ……それは又大変な上等の料理に使うものばかりではないか。そんなものを山男が喰べるのか」
「そうです」
「不思議だな」
 と、みんな顔を見合わせました。
 そうすると、その中で一番年を老《と》った料理人が出て来て、鍛冶屋のお爺さんに尋ねました。
「オイ爺さん。お前にきくが、今云った豚の尻尾だの何だのはこの国でも第一等の御馳走で、喰べ方がちゃんときまっているのだからいいが、この樽の中に這入っている芋の切れ端だの大根の首だの、葱の白いヒゲだの玉葱の皮だのいうものは、どうしてたべるかおれたちも知らないのだ。お前はそれをどうして食べるか知っていはしないかい」
「ぞんじません。おおかたあの山男は魔法
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