二人でこの学校の寄宿舎にいた時分から、大切な大切な親友だったのですからね。その大切な大切な舞坂さんをお泣かせになったのが貴方ですから、どうして知らないでおられましょう。……私はソンナ処から貴方の御生活に興味を持って、いろいろと苦心しながら、貴方に近付く機会を狙っていたのですからね。ね、おわかりになったでしょう。女の一心というものは怖いものですよ。オホホ……。
いいえいいえ。妾は黙っておる訳には参りません。私は在来《ありきた》りの手も力もない日本式の女性とは違うんですからね。意地になったらドコドコまでも意地になって行ける自信を持った女ですからね。自慢では御座いませんが、女の腕一つで男の子を二人育てて来た女ですからね。一通り世間の事は知り抜いている女ですよ……貴方が二十年前に、あの天使のように美しい舞坂さんを抱き締めて仰言った愛の言葉を発表する方法を存じておりますよ。どうぞどうぞこの淋しい独身者《ひとりもの》を憐れんで下さい……とね。ホホホ……」
それから先の問答は、気が顛倒《てんとう》しておりましたせいか一々記憶に止まっておりません。けれども、かいつまんで申しますと、校長先生の一所懸
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