、御自分の罪を正直に発表して、社会からコッソリ姿をお消しになるよりほかに方法はありません事を覚悟して頂きます。
 ですけどもこの手紙を書いております私……黒焦少女の正体が何者かと言う事は、もはやお察しになっておりましょう。そうしてあの気の弱い、涙もろい火星の女が、どうしてコンナ恐ろしい無茶な事をするのだろうと思って、慄《ふる》え上ってお出でになるでしょう。

 森栖校長先生……。
 先生は私の恩師です。男性の年長者です。早くから奥様とお子さんをお亡《な》くしになってから熱心な基督《キリスト》教信者となって、教育事業に生涯を捧げると言っておられる立派なお方です。そうして世間から教育家の模範と言われて、度々表彰を受けてお出でになるステキに偉いお方なのです。
 そのようなお方に、たといどのような迫害を受けましょうとも、復讐をしようなぞとたくらむのは、正しい事でないと思う方があるかも知れませぬ。
 けれども森栖先生……。
 私は先生がお名付けになった通り、火星の女です。普通の女とは違います。ですから人間世界の男性の横暴……男性にだけ許されている悪徳に、一つ思い切った反逆をして見せて世間の人をビ
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