冷めたい顔をして黙りこくってセッセと働いているの。古いチューブと針金でフェンダーを作るのがトテモ上手よ。そうかと思うと上等のバナナを妾たちに配ったり、チューブを切り抜いた魚だのお馬だのをお客さんの赤チャンに遣ったりしてトテモ気マグレなのよ。みんな新高さん新高さんってチヤホヤしているんですけど、妾ソレと気が付いた時にゾッとしちゃったわ。
それからツヤ子さんの仇敵《かたき》と思って、いつもジロジロ様子を見ていてやったわ。また、誰か殺しに来たに違いないと思って……。
そうしたらね、妾がソンナ眼で見ているのを新高さんは何かしら感ちがいしたらしいの。博多発十一時の折尾行きの最終発を待合室で待っているうちに、お客が一人もいないので、いいチャンスと思ったのでしょう。新高さんは黄色いバラの花を一本持って入って来て、妾の手に握らせたの。妾ギクンとしちゃったわ。だってバラの花は死んだツヤ子さんの一番好きな花だったんですもの。
妾が何かしら胸が一パイになりながら、ありがとうって言ったら、
「トミチャン。今夜、折尾の僕の下宿に来ないか」
ってダシヌケに言うじゃないの。つめたい真面目な顔をしてね。女を口
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