ですよ。ですから会社の重役さんがスッカリ信用してしまったらしいのです。
私も男らしい固い人と思い込んで、何もかも言うなりになってしまったんです。そうして正式に結婚式を挙げるばかりになっていたのです。
そうしたらね。きょう東京の青バスにいる妾の親友の松浦ミネ子さんからダシヌケにお手紙が来たのです。それがトテモびっくりする事だったのです。
「貴女の会社に新高竜夫って言う運転手が来たらダンゼン御用心なさい。
新高竜夫って言う人は東京中の運転手の中でも一番男ぶりのいい、一番恐ろしい評判の悪い人です。
新高って言う人は青バスにいるうちに幾人も幾人も女車掌を引っかけて内縁を結んで、その人に倦《あ》きると片端から殺して、何処かへ棄てて来るらしいんですって……。けれどもその遣り方が上手なので、まだ一度も疑われた事のない不思議な不思議な怖い怖い人なのです。こんな噂《うわさ》が立っているのは、あたし達、女車掌の仲間だけらしいのです。
それでもこの頃になって、警視庁の眼が、だんだん強く新高さんの近まわりに光り出したので、新高さんはコッソリ青バスをやめて、何処かへ行ってしまったのです。
どこか田舎
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