の。妾と違って気の弱い親切な人。あたしの昔からの親友。字もモット上手なんですけど。
月川ツヤ子さんの手紙[#「月川ツヤ子さんの手紙」の両側に傍線]
友成トミ子さん
ごぶさたしました。お変りありませんか。
トツゼン変な事を書いてすみませんけど、私このごろある人に殺されそうな気がするのです。
このごろ私のいる勉強乗合自動車会社に、新高《にいたか》って言う新しい運転手さんが来ましたの。それはナポレオンによく似た冷たい顔をした背の高い人です。運転がトテモ上手で、スタイルがよくて、骨身を惜しまず働くのでグングン昇給して行く人です。
その人が来てから三か月目に、私をお嫁にくれって、私のお父さんに申し込みました。二週間ばかり前の事です。
会社の工場に勤めている私のお父さんは、気が進まないけど、新高さんを可愛がっている会社の専務取締役の人が仲に立っているのでイヤとは言えないのだが、お前はドウかって尋ねられた時に、妾はすぐに承知してしまいました。新高さんなら前から嫌いじゃなかったんですからね。
ごめんなさいね。あなたに御相談しないで承知してしまったこと。
でも妾、最初ビ
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