い声で笑い出した。矢張り死骸の事も忘れる位いい心持になっているらしく、私の真向いの椅子にどっかりと反り返りながら……、
「……わっはっはっはっ。流石《さすが》の課長殿も一杯喰いましたね。はっはっ。しかし今度の事件は全く意外な事ばかりだったのです。第一ハドルスキーが樫尾大尉という事は、僕ばかりでなく、松平局長も二三日前まで知らなかったそうですからね。一方に、あの曲馬団をあれ程に保証した××大使が今になって急に、あんなものは知らないとあっさり突き離すだろうとは樫尾大尉も思わなかったそうです。……僕等は又僕等で、あの曲馬団で無頼漢《ごろつき》どもが、日本の警察を紐育《ニューヨーク》や市俄古《シカゴ》あたりの腰抜け警察と間違えるような低級な連中ばかりだろうとは夢にも思いませんでしたからね。新聞記者を連れて行けば、こっちの公明正大さが大抵わかる筈と思ったんですが……何もかも案外ずくめでおしまいになっちまいましたよ。はっはっはっ」
「おかげ様で本望を遂げまして……」
 と志村のぶ子が相槌を打った。
「……いやア……貴女《あなた》方の剛気なのにも驚きましたよ」
 と志免警視はどこまでも明るい声で調子
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