れたら手も足も出ないようにされてしまう。こうなったからには最後の手段を執るよりほかに仕方がない……と……」
「最後の手段とは……」
「死ぬのを覚悟して仕事をする意味でございます」
「その仕事は何ですか」
「これから申します」
「お話しなさい」
「嬢次様は鞄《かばん》の中から、貴方と、カルロ・ナイン嬢と、御自分と三人一緒に撮った写真の絵葉書を五枚ほど出して、羅馬《ローマ》字でお手紙を書かれました」
「その手紙は貴女見ましたか」
「はい。叔父に四時間ばかり……九時頃までこの家《うち》に帰って来ないように頼んでありました」
「叔父様は、そんな事を本当にすると思いますか」
「はい。叔父は頭がどうかならない限り嬢次様のお言葉を本当にしてくれるだろうと思います」
「……どうしてそんな事わかりますか」
「今日曲馬場で、嬢次様の行方を探すために懸賞の広告が出ました。あれは貴方《あなた》がお出させになったのでございましょう」
「そうです。わたくしです」
「その中に嬢次様のお写真の事は一つも書いてございませんでした」
「その代りに、表の絵看板を見るように描《か》いておきました」
「本当の嬢次様が、あの絵看
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