威厳をそのままであった。一句一句吐き出すその言葉にも、五|分《ぶ》の隙もない緊張味と、金鉄動かすべからざる威厳とが含まれていた。
「貴女《あなた》のお名前は何と云いますか」
女はうなだれたまま答えなかった。しかしストーン氏は構わずに続けた。
「貴女《あなた》のお名前は何と云いますか」
女はやっと答えた。
「それは申上げられませぬ。嬢次様のお許可《ゆるし》を受けませねば……」
ストーン氏は苦々しい顔をした。
「それは何故ですか」
「何故でもでございます。二人の間の秘密でございますから」
軽い冷笑がストーン氏の唇を歪めた。
「……年はいくつですか」
「……十九でございます」
「ジョージよりも多いですね」
「どうだか存じませぬ」
ストーン氏の唇から冷笑がスット消えた。同時に眼からちょっと稲光りがさした。余りにフテブテしい女の態度に立腹したものらしい。
「学校を卒業されましたか」
「一昨年女学校を卒業しました」
「学校の名前は……」
「それも申上げられませぬ。妾《わたし》の秘密に仕度《しと》うございます。校長さんに済みませぬから……」
「叔父さんに怖いのでしょう」
「怖くはありませぬ
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