。そうして低いけれども底力のある、ゆっくりした調子で尋ねた。
「貴女《あなた》はどうしてそれがわかりますか」
「……………」
 女は答えなかった。黙って懐中《ふところ》から一通の手紙を取り出してストーン氏の眼の前に差し出した。
 それは桃色の西洋封筒で、表には何かペンで走り書きがしてあって書留になっている。ストーン氏は受け取って、先《ま》ず表書を見たが、ちらと女の方に上眼使いをしながら、裏を返して一応|検《あらた》めてから封じ目を吹いた。中からは白いタイプライター用紙に二三十行の横文字を書いた手紙が出て来たが、それを手早く披《ひら》いて読んでいるうちに、その一句一句|毎《ごと》にストーン氏の顔が緊張して来るのがありありと見えた。それに連れて読んで行く速度が次第に遅くなって、処々《ところどころ》は意味が通じないらしく二三度読み返した処もあった。
 読み終るとストーン氏は、そのまま封筒と一緒に手紙を右手に握って、又、女の顔をジッと見た。その顔付きは罪人に対する法官のように屹《きっ》となった。静かな圧力の籠《こも》った声で問うた。
「今まで貴女《あなた》が、ジョージ・クレイと話しをする時に、
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