な》れ合いでやっているのかも知れねえぜ」
「キチガイ紳士も馴れ合いか」
「序《ついで》に馬も馴れ合いにしちまえ」
「しかし三万円てえと一寸《ちょっと》使えるな。誰か希望者は居ないか」
「カルロ・ナイン嬢なら只でも探しに行かあ」
「初めやがった好色漢《すけべえ》野郎!」
「いや真剣に……」
「なお悪いや」
「一体ジョージの野郎は何だって曲馬団を飛び出したんだろう」
「さあ……そいつはわからねえ」
「なあに。ちゃんと判っている。給金の事で団長と喧嘩《けんか》したんだ」
「イヨ。名探偵。どうして判った」
「芸当がジョージになったからもっと給金をクレイって云ったんだ」
「アハハハハ初まった初まった」
「ふざけるな」
「いやまったく。それで団長が憤《おこ》ったんだ。そんな金はカルロ・ナインだと」
「そこで談判がバードしたんだろう」
「ストーンと御免蒙ったってね」
「止《よ》せ止せ」
一同は哄《どっ》と噴き出した。
私は両手をポケットに突込んだ。双眼鏡と懐中電燈がある。それから金容《かねいれ》も……ピストルも……万年筆も……時計も……今四時四分を示している。ただ鼈甲縁《べっこうぶち》の眼鏡と、
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