したために、コンドル首領も不承不承に承知したものと考えられます。
しかし申すまでもなくゴンクールのコンドルは、この事を少しも小生に相談しませず、ただ愛児嬢次が日本に居るらしいと偽って、妻を日本に追いやったものでありますが、馬鹿正直な妻ノブ子はこの時までもなお、コンドルの人物と仕事が不正不義なものである事を気付かず、コンドルは世界中の国々の法律や制裁に関係なく、秘密の裡に不幸なる民族国家を助くる超人的人物と信じ切って結社加入を承諾しましたものだそうで、同時に又、小生がこの結社の西部首領となっておりました事も、この団体の完全な秘密組織のために遮断されて夢にも聞知していなかったそうであります。すなわち小生も妻も、結社加入以来一度も本名を名乗らず、変名、もしくは自己の標識番号のみを以て通信し、且つ、英文タイプライターばかりで事務通信をしておりましたので、数限りない手紙や電報を取り交しながら、一度もその夫であり、妻である事を知り得なかったのであります。
かような次第で、妻ノブ子は、伜《せがれ》嬢次が日本に居るらしいという話を聞くや、大喜びでジェイ・ファースト(J・1)の番号を貰いまして、小生
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