めたのであります。その他、比律賓附近に於ける日本海軍の大演習。潜水艦の夥しい建造。日本のガソリン製造技術の急速なる進歩。米国の隣国ともいうべき南米ブラジルに対する堂々たる移民開始。満洲に対する露骨なる出兵、等々々。いずれも米国政治家の驚目駭心《きょうもくがいしん》の種とならぬものはありませぬ。これは一体、どうした事でありましょうか。こうした日本の対米態度の硬化はそもそも何を意味するものでありましょうか。
 日本在来の石油タンクの数はその後すこしも増加した模様は見えませぬ。新しい有力な油田が発見された噂も聞えませぬ。それだのに日本は何を力としてかように対米外交の態度を硬化させて来たものでしょうか。これは米国の上下の専門家、非専門家が均《ひと》しく驚愕、怪訝《けげん》の眼を※[#「※」は「目+爭」、第3水準1−88−85、179−5]《みは》っているところであります。
 かくして日本の石油保有量に関する疑問は「日本|一蹴《いっしゅう》すべし」という主張の下に樹《た》てられたる前記の東洋米化政策を実行すべきウオル街の金権政治家と、その仕事を引き受けたJ・I・Cの首脳者とが、その政策の実行に先立って、深甚の考慮を払わねばならぬ重大問題と化して来たのであります。

 この問題に関する前記のウオル街、全権代表、G・シュワルト氏と、コンドルと、小生との間に行われました前後数十回の討議は、米国式国民外交の特徴を遺憾なく発揮した波瀾万丈を極めたものでありました。勿論、その会議の中《うち》にはG・シュワルト氏の紹介による匿名の政府吏員も適時参加したのでありましたが、その結果最後の勝利を得たものは、あくまでも強気一点張を以て終始したコンドルの主張でありました。
 すなわち……。
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一、日本の対米硬化は恐るるに足らず。米国政府の極東政策は既定の通り実行すべし。
二、日本の対米外交硬化の原因は、新油田発見の報なき点より見て、石油の秘密購入貯蔵にある事明白なり。又、新動力機関の発明等に非ざるは軍艦、潜航艇等の改造、新設計等が依然として旧態に依るを見ても明かなり。故《ゆえ》に日本内地に於ける石油の秘密貯蔵個所を発見して、万一の際これを爆破するだけの用意を整えおけば、それだけにても戦闘準備は十分なり。
三、日本内地に於ける石油の秘密貯蔵場所を発見する事と、万一の
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