イ四ツに取組んで、動く事が出来なくなっているのだ。
……アハ……アハ……こんな馬鹿馬鹿しい……間の抜けた……トンチンカンな争いが又とこの世にあり得ようか。事件そのものの内容よりも、二人の博士の研究と争闘の方が、ズット真剣で、深刻で恐ろしいのだもの。もしかすると学者なんてものは皆、こんな詰らない事ばかりを本気になって争い合っているものじゃないかしら……。
……しかし考えて見れば無理もないだろう。あの呉一郎と、この俺とはドウしても双生児《ふたご》としか思えないくらい肖通《にかよ》っているんだもの。おまけにあの呉モヨ子と、この絵巻物の死美人像とが、瓜二つどころじゃない。ソックリそのままなんだもの……こんなに在りそうにもない二重の偶然同志がこの地方で、しかも同じ血統《ちすじ》の中に固まり合っているのを発見したら、誰だってビックリするに違いないだろう。そうしてこれには何か深い原因《わけ》があるに違いないと思って、最初から色眼鏡をかけて研究を初めるだろう。……本人はそんなつもりでなくても、研究を初める気持が既に色眼鏡をかけたのと同じ気持だから仕方がない。その証拠には、この事件を組み立てている色々な
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