暗くすればする程、アリアリと輝き出して来るもので、見まいとすればする程、見たくてたまらないという奇怪極まる反逆的な作用と、これに伴う底知れぬ魅力とを持っているものなのだ。しかもそれをそうと知れば知るほど、その魅力がたまらないものとなって来るので、死物狂いに我慢をした揚句《あげく》、やり切れなくなってチラリとその記憶の鏡を振返る。そうするとその鏡に映っている自分の罪の姿も、やはり自分を振り返っているので、双方の視線が必然的にピッタリと行き合う。思わずゾッとしながら自分の罪の姿の前にうなだれる事になる……こんな事が度重なるうちに、とうとう遣り切れなくなって、この秘密室をタタキ破って、人の前にサラケ出す。記憶の鏡に映る自分の罪の姿を公衆に指さして見せる。『犯人は俺だ。この罪の姿を見ろ』……と白日の下に告白する。そうするとその自分の罪の姿が、鏡の反逆作用でスッと消える……初めて自分一人になってホッとするのだ。
……又は、自分の罪悪に関する記憶を、一つの記録にして、自分の死後に発表されるようにしておくのも、この苛責を免れる一つの方法だ。そうしておいて記憶の鏡を振返ると、鏡の中の『自分の罪の姿』
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