びょうし》……。
 ……ナニイ。眼が眩《まわ》って来たア……。
 アハハハハハ……それあ眩るだろう。吾輩の気焔を聞かされたら、大抵の奴がフラフラフラと……。
 ……ナ……なんだ。そうじゃない。葉巻に酔ったんだと?……
 アッハッハッハッ……コイツは大笑いだ。
 ワッハッハッハッハッハッハッ。[#地から2字上げ](文責在記者)

  胎児の夢[#「胎児の夢」は本文より5段階大きな文字]

[#ここから2字下げ、折り返して3字下げ]
――人間の胎児によって、他の動植物の胚胎の全部を代表させる。
――宗教、科学、芸術、その他、無限の広汎に亘るべき考証、引例、及《および》、文献に関する註記、説明は、省略、もしくは極めて大要に止める。
[#ここで字下げ終わり]

 人間の胎児は、母の胎内に居る十箇月の間に一つの夢を見ている。
 その夢は、胎児自身が主役となって演出するところの「万有進化の実況」とも題すべき、数億年、乃至《ないし》、数百億年に亘るであろう恐るべき長尺《ちょうじゃく》の連続映画のようなものである。すなわちその映画は、胎児自身の最古の祖先となっている、元始の単細胞式微生物の生活状態から
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