頭たたいて頂きまする……チャカポコチャカポコ……
▼あ――ア。アタマたたいて頂戴しまする。なれど、そういう願人坊主が。やはり「キの字」の片割《かたわれ》らしいぞ。眼付き風付《ふうつ》き何やらおかしい。非人乞食に劣らぬ姿で。道のほとりに鞄《かばん》を投げ出し。駄声《だごえ》はり上げ木魚をチャカポコ。昼の日中《ひなか》に外聞|晒《さら》す。しかも文句が常識外れた。世界文化の千万円じゃの。耳に聞こえず眼にさえ見せない。人の心の狂いを直すの。古今独歩の研究なんどと。途方|途轍《とてつ》もない事並べて。寄附を集めるイカサマ坊主じゃ。そんな古手にかかると思うか。要らぬ処で道草喰うたぞ。早く行こうと仰言《おっしゃ》るならば。これは如何《いか》さま尤《もっと》も千万。道理至極じゃスカラカ、チャカポコ。頭たたいてお詫びをしまする……チャカポコチャカポコ……
▼あ――ア。頭たたいてお詫びをしまする。そもやそもそも一体全体。こんなスカラカ、チャカポコ頭が。身の程知らない木魚をたたいて。頼み手も無い金にもならない。要らぬ赤恥、天日《てんぴ》にさらげる。事の起りはキチガイ地獄じゃ。文明社会の裏面に拡がる。無
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