れども彼の部下の人たちは、馬から下りて、それをひっぱったり、時には支えてやったりして、その上絶えず伏兵を恐れながら、峡谷を手探って下って行かねばならなかったので、皆が入江へ下り着いた時には、例の帆船がすでに錨を上げて航進し始めていたのは、怪しむに当らないことだった。もっとも、船はまだ入江の中にはいた。監督官はその船に声をかけた。すると中からだれかの声が答えて、月明りのところへ出ないようにしろ、さもないと弾《たま》を喰らうぞ、と言った。そして同時に、一発の弾丸がぴゅうっと飛んで来て彼の腕を掠めた。それから間もなく、帆船は岬を※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]って見えなくなってしまった。ダンスさんは、彼の言葉で言えば、「水を離れた魚《さかな》みたいに」そこに突っ立った。もうこうなっては出来ることはB――へ急いで人をやって税関の監視船に知らせてやることだけだった。「でもそうしたところでまず何にもなるまい。奴らはすっかり逃げてしまって、もうおしまいだからな。」と彼は言って、「ただ、私《わたし》はピュー先生を踏んづけてやったのは愉快だよ。」と言い足した。この時までには彼は私の話を聞いて知
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