それから私たちみんなは洞穴へ入った。そこは広い風通しのよい場所で小さな泉と清水の水溜りがあり、その上には羊歯《しだ》が蔽いかかっていた。床《ゆか》は砂地であった。大きな焚火の前に、スモレット船長が寝ていた。そして、遠くの方の隅には、大きな山のような貨幣と、四辺形に積み上げられた黄金の棒とが、焚火の焔にただぼんやりとちらちら光っているのが見えた。それが、私たちが手に入れようとして遥々やって来た、そしてまたヒスパニオーラ号からすでに十七人の生命を失わさせた、フリントの宝なのであった。それを集めるために、どれだけ多くの血が流され悲しみが味われたか、どれだけの立派な船が海原《うなばら》で船底に孔をあけて沈められたか、どれだけの勇敢な人々が眼隠しされて船側の板を歩かせられて海に落ちたか、どれだけの大砲の弾丸が撃たれたか、どれだけの恥辱と虚偽と残虐とが行われたか、恐らく、生きている人間でそれを語り得る者は一人もなかったろう。だが、それらの罪悪にそれぞれ与《あずか》り、またそれぞれその報酬に与《あずか》ろうと望んでその甲斐《かい》のなかった人間が、その島にまだ三人いるのであった。――シルヴァーと、年寄のモーガンと、ベン・ガンとだ。
「来給え、ジム。」と船長が言った。「君は君の縄張ではいい子供だよ、ジム。だが君と私とがもう一度一緒に航海に出ようとは私は思わんな。君は生れつきあまり人気者なので私には手に負えんよ。そこにいるのはお前だな、ジョン・シルヴァー? おい、何しにここへ来たのだ?」
「わっしの義務をやりに戻って来ましたんで、はい。」とシルヴァーが答えた。
「ふむ!」と船長が言った。そしてそれっきり何も言わなかった。
その夜私が味方の人たちに囲まれて食べた晩餐の何と楽しかったことか。また、ベン・ガンの塩漬の山羊の肉や、ヒスパニオーラ号から持って来た幾つかの珍味や一罎《ひとびん》の年|経《へ》た葡萄酒で、その食事の何とおいしかったことか。確かに、それ以上に楽しげな幸福な人々はまたとなかったに違いない。そして、そこにはシルヴァーもいて、ほとんど焚火の光の届かない後の方に坐っていたが、しかしうまそうに食べ、何でも用のある時にはすぐに前へ跳んで来るし、私たちの笑う時にはおとなしく声を立ててそれに加わりさえした。――まったく、航海に出かけて来た時と同じあの柔和な、慇懃な、従順な船員であっ
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