して運び、ヒスパニオーラ号の到着する二箇月前から、宝はそこに安全にしまってあったのである。
 医師は、あの攻撃のあった日の午後に、この秘密をベン・ガンから聞き出すと、また、その翌朝、碇泊所に船のいなくなったのを見ると、シルヴァーのところへ出かけて行って、今ではもう無用のものになった例の海図を彼にやり、――ベン・ガンの洞穴にはガンが自分で塩漬にした山羊の肉が十分に貯えてあるので、シルヴァーに食糧もやり、――柵壁から二つ峯の山まで安全に移る機会を得るために何もかもやってしまった。その山の方にいれば、マラリヤに罹る恐れもないし、金の番をすることも出来たからである。
「君について言えばね、ジム、」と先生が言った。「私はそうしたくはなかったんだ。だが私は、義務を守っている人たちにとって一番いいと思ったことを、したのだよ。で、君がその人たちの中の一人でなかったとすれば、それはだれの咎《とが》だったろうかね?」
 その朝、海賊どもが先生のために怖しい失望をすることになっているので私がその捲添えを喰うに違いないということに気がつくと、先生は洞穴までずっと駆け通しで帰り、船長を護るのに大地主さんだけを残して、グレーと置去り人とをつれて出発し、あの松の樹のそばの近くにいられるようにと、島を対角線に突っ切って進んで行った。けれども、間もなく私たちの方の一行が先に進んでいることがわかったので、足の速いベン・ガンを前に走らせて、一人で彼の出来るだけのことをさせることにした。その時に、彼は昔の船友達の迷信を利用してやろうと思いついた。それが大いにうまく当ったので、グレーと医師もやって来て、宝探しの連中の到着しないうちにすでに待伏せしていることが出来たのである。
「ああ、」とシルヴァーが言った。「ホーキンズをつれて来たのはわっしにゃ仕合せでした。さもなけりゃ、あんたはジョン爺《じい》をずたずたに切らせて、何とも思いなさらなかったでしょうよ、先生。」
「何とも思わなかったろうて。」とリヴジー先生は機嫌よく答えた。
 そしてこの時分には私たちは快艇《ギッグ》のところへ着いていた。医師は鶴嘴《つるはし》でその中の一艘を打ち壊し、それから私たちみんなはもう一艘の方に乗り込んで、北浦をさして海路で※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]って行こうと出発した。
 それは八九マイルの航行であった。シルヴァー
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