るのは、見ていて気持のよいものであった。その彼女の大事な令嬢が、彼女を抱擁して彼女にお礼を言い、自分のためにそんなにまで面倒をみてくれることに不服を言っているのもまた、見ていて気持のよいものであった。――もっとも、その不服を言うのだけはほんの常談に言ってみただけであった。でなければ、プロス嬢は、ひどく気を悪くして、自分自身の部屋にひっこんで泣き出したことであろう。医師が、その二人を傍から見て、言葉や眼付でプロス嬢に彼女がどんなにリューシーを甘やかしているかということを言っているが、その言葉や眼付にはプロス嬢に劣らぬほど甘やかしているところがあるし、もし出来るものならそれより以上に甘やかしたがっているようなのもまた、見ていて気持のよいものであった。ロリー氏が、例の小さな仮髪《かつら》をかぶってこういうすべての様子をにこにこ顔で眺めて、晩年になって独身者の自分に途を照して一つの家庭に導いてくれた自分の運星に感謝しているのもまた、見ていて気持のよいものであった。しかし、こういう有様を何百の人々は見に来はしなかった。そしてロリー氏はプロス嬢の予告の実現されるのを徒らに期待していたのであった。
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