に述べたあの三回の定期の出入りのときのほかには、決して開かれることがなかった。そして開かれるときには、その巨大な蝶番《ちょうつがい》がぎいっと軋《きし》るたびごとに、私たちはその音のなかに、かずかずの神秘を――厳かな注意や、あるいはもっと厳かな瞑想《めいそう》をそそる多くの事がらを――見出《みいだ》したのであった。
 広い構内は形が不規則で、大きなひっこんだ所がたくさんあった。そのなかのいちばん大きな三つ四つのが運動場になっていた。そこは平らかで、細かい堅い砂利を敷いてあった。そこには樹《き》もなければ、腰掛け《ベンチ》もなく、それに類したものがなにもなかったことを、私はよく覚えている。むろんその運動場は家の背後《うしろ》にあったのだ。前面には、黄楊《つげ》やその他の灌木類を植えた小さな花壇があった。しかし、この神聖な区画は、私たちは実際ほんのたまにしか通ったことがなかった。――たとえば、初めて学校へ上がったときとか、最後にそこを去るときとか、あるいはたぶん、親か知人かが迎えにきて、クリスマスや夏休みにいそいそと家へ帰るときとかだった。
 だが、その校舎たるや! ――なんという奇妙な古
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