て、精々禍を福に転ずることに努めねばならぬ。併し、なるべくならば、着岸以前に逐つ払ふのが、上分別である。此ために、塞《サ》への威力を持つた神をふなど[#「ふなど」に傍線]と言ふことになつたのかも知れぬ。一つことが二つに分れたと見えるあめのひぼこ[#「あめのひぼこ」に傍線]・つぬがのあらしと[#「つぬがのあらしと」に傍線]の話を比べて見ると、其辺の事情は、はつきりと心にうつる。此外に、語部の口や、史《フビト》の筆に洩れた今来《イマキ》の神で、後世、根生ひの神の様に見えて来た方々も、必、多いことゝ思はれる。
底本:「折口信夫全集 2」中央公論社
1995(平成7)年3月10日初版発行
底本の親本:「古代研究 民俗学篇第一」大岡山書店
1929(昭和4)年4月10日発行
初出:「国学院雑誌 第二十六巻第五号」
1920(大正9)年5月
※底本の題名の下に書かれている「大正九年五月「国学院雑誌」第二十六巻第五号」はファイル末の「初出」欄に移しました。
※平仮名のルビは校訂者がつけたものである旨が、底本の凡例に記載されています。
※訓点送り仮名は、底本では、本文中に小書き
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