といふ事(即ちゆか)を希求する意味のなん[#「なん」に傍線]がついたのであるといふことはあながち無理ではなからう。
さわ・ぐ、なや・む、たゝ・む、あ・ぐ、かゝ・ぐ、さか・る、うま・る、つが・ふ、ゆか・し、いとは・しなどもまた同様の事がその語根についていはれると思ふ。
   ■連用名詞法
連用法に名詞法のあることはいふまでもない。たゞこゝに連用名詞法の語が他の接尾語とむすびつく事についてのべて見たい。
しに・す[#「しに・す」に傍線]、ゆき・す[#「ゆき・す」に傍線]の様なのはかれ・す[#「かれ・す」に傍線]、おい・す[#「おい・す」に傍線]、つき・す[#「つき・す」に傍線]のしに[#「しに」に傍線]、かれ[#「かれ」に傍線]、つき[#「つき」に傍線]が連用言であることを証拠立てゝゐる。これらのしにす[#「しにす」に傍線]、ゆきす[#「ゆきす」に傍線]、かれす[#「かれす」に傍線]、おいす[#「おいす」に傍線]、つきす[#「つきす」に傍線]などは体言としてす[#「す」に傍線]をうけてゐることは勿論であるとおもふ。
よぎ・る、わび・し、こひ・し、口語のゆれ・る、うけ(浮)・る、おき・るなど
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