]の ro は rofu でかたらふ[#「かたらふ」に傍線]の ro は rafu なのか、どういふわけでまたたゝかふ[#「たゝかふ」に傍線]の ko は kafu でかこふ[#「かこふ」に傍線]の ko は kofu でなければならぬのか、妙な事だといふと常識はたゞちにかう応へる。
その疑は今日の発音を土台として考へるから起るので、昔はつくろふ[#「つくろふ」に傍線]を tukuro−fu、かたらふ[#「かたらふ」に傍線]を katara−fu と発音したからである、またたゝかふ[#「たゝかふ」に傍線]は tataka−fu、かこふ[#「かこふ」に傍線]は kako−fu と発音通りにうつしたのにすぎないとこたへる。けれども疑はその点ではない。形容詞や動詞をとつて考へてみると、
[#ここから2字下げ]
くや・し  うらやま・し  あぶなか・しい  あら・し  やさ・し  たゝは・し
べか・し  めか・し
うごか・す  
さか・る  こが・る  まか・る
[#ここで字下げ終わり]
などのごとく動詞形容詞助動詞すなはち用言の将然段又はあ[#「あ」に傍線]の韻を以て終つて居る語から他の語に
前へ 次へ
全63ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
折口 信夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング