名だけが自由に取り外されて、行つた先々の人の口に上るのである。だから、民謡に地名を含んで居る事が、其地の根生ひでないまでも、必一度は其地に行はれて、其行はれた地方で採集せられた事を示すのである。其上、単語・語法なども其地々々の言語情調に適合する様に部分々々に手入れせられる。だから誤解から、部分け違へをした少数のもの以外は、あづま[#「あづま」に傍線]根生ひのものと言うてもさし支へのない程、其思想・其形式に於て、東人の生活に密接な関係を持つて居ると言はなければならぬ。



底本:「折口信夫全集 1」中央公論社
   1995(平成7)年2月10日初版発行
底本の親本:「『古代研究』第二部 国文学篇」大岡山書店
   1929(昭和4)年4月25日発行
初出:「皇国 第二七九号」
   1922(大正11)年2月
※底本の題名の下に書かれている「大正十一年二月「皇国」第二七九号」はファイル末の「初出」欄に移しました。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2007年9月6日作成
青空文庫作成ファイル:
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