昔物語では、動物の過去生を説いて、経を聴く為の仮身だと説く。未来生を説くよりも、此時代の仏的色彩が出てゐる。
49[#「49」は縦中横] 此と共に、未来転生を説いて、神道(仏法一派として)に入る事を言うたに違ひない。
50[#「50」は縦中横] 犬は固有種の少数の外は、猫と同じく、外来のもので、猫よりは遥かに、早かつたらしい。
51[#「51」は縦中横] 異郷の叡智を受けた、敏感な生物。
52[#「52」は縦中横] 人に犬姓を与へた、播磨風土記の例(告《ノリ》〔つげ[#「つげ」に傍線]だらう〕首)
53[#「53」は縦中横] 常世長鳴鳥式の智慧。
54[#「54」は縦中横] 沖縄の各由来記には、犬の神になつた話が多い。それは、石になつたことである。
55[#「55」は縦中横] いづれ、仮死の状態を考へるのだらう。
56[#「56」は縦中横] 常世の所属たらしめる為の洗礼には、石の形を経過せしめる。
57[#「57」は縦中横] 大国主の赤猪石。
58[#「58」は縦中横] 出雲の国造の、猪形の石につけて、菱根[#(ノ)]池に水葬せられたこと。
59[#「59」は縦中横] 岡となる。大丘――石。
60[#「60」は縦中横] 蚕の化成した、日女道《ヒメヂ》[#(ノ)]丘《ヲカ》。
石と山との関係。
61[#「61」は縦中横] 猪の石。
62[#「62」は縦中横] 犬その他のとてむ[#「とてむ」に傍線]。
63[#「63」は縦中横] 印南郡|益気《ヤケ》里斗形山あつて、石橋がある。
天との通路だ。天の八十人上下した。
此は、動物以外の第二義式化成。
64[#「64」は縦中横] よみ[#「よみ」に傍線]の国へ行く巌窟。
65[#「65」は縦中横] 彼岸国からの印象。
かし石の穴の雫の、柱石となつた事。
[#ここで字下げ終わり]
底本:「折口信夫全集 3」中央公論社
1995(平成7)年4月10日初版発行
底本の親本:「『古代研究』第一部 民俗学篇第二」大岡山書店
1930(昭和5)年6月20日
初出:「民俗学 第一巻第一号」
1929(昭和4)年7月
※底本の題名の下に書かれている「昭和四年七月「民俗学」第一巻第一号」はファイル末の「初出」欄に移しました。
※複数行にかかる中括弧には、けい線素片をあてました。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2007年4月8日作成
2007年6月3日修正
青空文庫作成ファイル:
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