的の位置を有してをることは明かである。
※[#丸D小文字、1−12−36]動詞の名詞法と語尾との粘着
動詞の連用法連体法が体言的の性質を持つてゐることは知られてゐることであるが、将然法も終止法も乃至は已然法さへも名詞となることの出来る傾がある。連用法と語尾との用言を構成する事は、其の純粋の体言である性質上分り切つた事実であるから今は省く。
[#ここから2字下げ]
さかる うわる はやす くらす
うまる くらむ
[#ここで字下げ終わり]
などは、将然法と語尾との関係と見ることが出来る。これについては、将然副詞法を参照してほしい。
終止法に付いては、其れが用言の語根即ち体言となることが出来ると云つたならば、不思議に思はれるかも知れないが、是は用言の原始活用の章を見てもらひたい。
近世になつて連用法を語根とした或は動詞的発想に体言的の意識をさしはさむところから連用名詞が語尾をなしてをる様に見えるものが多い。うかべる・いきる・すぎるの様な連体から変形した終止法を形づくることもある。
底本:「折口信夫全集 12」中央公論社
1996(平成8)年3月25日初版発行
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