日本文章の発想法の起り
折口信夫
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)語《ことば》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)神|憑《ツ》き
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから2字下げ]
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)石《イソ》[#(ノ)]上《カミ》ふるき
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)みつ/\し
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
一
古代の文章の特徴と云ふと、誰しも対句・畳句・枕詞・譬喩などを挙げる。私はかういふ順序で話して行きたい。
[#ここから2字下げ]
対句―――畳句
↓
譬喩 → 枕詞 ← 序歌
↑
└──────┐
│
矚目発想――待想独白――象徴
[#ここで字下げ終わり]
畳句は不整頓な対句であつて、対句は鮮やかに相等を感ぜさせる畳句である。其起りは神|憑《ツ》きの狂乱時の言語にあることは、他に言うた。気分に於て、ほゞ思考の向きは知れて居ても、発想するまでに熟せない時に、何が
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