こともち」に傍線]であるよりも、先に、みこと[#「みこと」に傍線]を絶さない役をしてゐた者だ、と言ふことが出来る。つまり、宮廷以外の邑落に於いては、男の場合に刀禰《トネ》と言つてゐる。其に対して、宮廷ではひめとね[#「ひめとね」に傍線]と称してゐた。命婦に当るものであらう。其が後世になるほど、おとな[#「おとな」に傍線]と云ふ語で表されて来る様になる。

     七 上達部の意義

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故殿のおほん服の頃、六月三十日の御祓へといふ事に、いでさせ給ふべきを、職《シキ》の御曹司は、方《カタ》あしとて、官のつかさの[#「官のつかさの」に白丸傍点]朝所《アイタンドコロ》に渡らせ給へり[#「に渡らせ給へり」に白丸傍点]。……日くれて[#「日くれて」に傍点]、暗まぎれにぞ[#「暗まぎれにぞ」に傍点]、すごしたる人々皆立ちまじりて、右近の陣へ物見に出で来て、たはぶれさわぎ笑ふもあめりしを、かうはせぬことなり。上達部のつき[#「上達部のつき」に白丸傍点](着座)給ひしなどに[#「給ひしなどに」に白丸傍点]、女房どものぼり[#「女房どものぼり」に傍点]、じやう官などのゐる障子を皆う
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