き出して来たものすら、高級なものでないのに、かうした作風は空想だから駄目である。
中には、言ひまはし一つで、物珍しく見せかけたものさへある。
良経の早い頃の作
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桜さく比良の山風、吹くまゝに、花になりゆく 志賀の浦なみ(千載集)
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は、宮内卿の「花さそふ比良の山風ふきにけり。こぎゆく舟の跡見ゆるまで(新古今)」と相影響する所があらうが、此は四句と五句との修辞上のかねあひ[#「かねあひ」に傍線]から出る興味で、其が虚象を描く処に、価値が繋つてゐるのだ。新古今にはまだ外に、此風は残つてゐる。
此等から見れば、
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おもかげに花の姿をさきだてゝ、いくへこえきぬ。峯のしら雲(新勅撰)
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俊成の此方は、姿を印象することは尠く、気分に絡みついて行くだけに強い。前者よりは空想分子の多いに拘らず、不安な印象を与へることは尠い。かうした情趣をこめた自然描写が、空想を払ひ去つて、健やかに成長したのが、後の玉葉・風雅の歌の主流である。新古今は早く彼《かの》二集に行く筈であつたのが、逸れたのである。
新古今の当時は、文学
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