。
だが、彼の自ら否定した
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おもかげに 花の姿をさき立てゝ、幾重越え来ぬ。峰の白雪(新勅撰)
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は、なる程、俊成の態度から見れば、前期に属するものである。こしらへ物だ。が、印象は明らかに来る。
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夕されば、野べの秋風身に沁みて、うづら鳴くなり。深草の里(千載)
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の方は、印象がうぢや/\[#「うぢや/\」に傍点]してゐる。幽情も、やはらぎも見えない。此が、俊成の第二種の代表的な発想であらう。世間はそれでも「おもかげに」の傾向を愛して、其に傾き寄つた。新古今の歌壇は、此歌などを出発点として、展開を重ねて行つたのに違ひない。
俊成は、鎌倉はじめまでも、歌壇の長老として、残つてゐた。けれども彼の歌の平易は、四句讃歌(梁塵秘抄調)に近づいてゐる間に、若い人々の間には、めざましいと言ふより、目まぐるしい変化が起り続けて居た。
八 新古今の歌風
新古今集の撰定の幹部等にとつて、先輩となつてゐた人たちは、多くは入道生活をしてゐた。俊成・西行・慈円・寂蓮・寂然――此等の法師や居士の間に漂ひ出るも
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