順が短くなつたり、長くなつたりしてゐるけれども、ともかくそんな形で現れてゐるものと私共は見てをります。このことは更に男のさすらひ物語を申上げれば、もつと話が理会し易くなるのですが、男の話はすでに度々繰返してをりますので省きませう。
女の場合は殊にあはれに死んで行つたといふことで、悲しまれてをつた人達が多いのですから、幾分若い方々の、荒だち易い心をやはらげることが出来るかと思つて話をして見ました。
この話は、歌を一つ/\解釈して行かなければ、話にならないのですけれども、平凡な皆の知つてをられる歌を、解釈して行く気にもなりませんでしたから、大変筋の立たぬ殺風景な話になつたと思ひます。



底本:「折口信夫全集 6」中央公論社
   1995(平成7)年7月10日発行
初出:「国学院雑誌 第五十三巻第一号」
   1952(昭和27)年4月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※底本の題名の下に書かれている「昭和二十七年四月「国学院雑誌」第五十三巻第一号」はファイル末の「初出」欄に移しました。
入力:H.YAM
校正:門田裕志
2008年9月26日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全15ページ中15ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
折口 信夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング