てゐた様に、元に還すのであると言ふよりも、寿詞の初め其時になるのである。
さら[#「さら」に傍線]はさる[#「さる」に傍線]の副詞形である。去来の意のさる[#「さる」に傍線]は、向うから来ることである。春の初めの猿楽も、古くから行はれたらうと思ふが、さる[#「さる」に傍線]――今は縁起を嫌ふ――がをつ[#「をつ」に傍線]と同意義に近かつたのではなからうか。猿女君のさる[#「さる」に傍線]も、昔を持ち来す巫女としての職名であつたのではないか。
底本:「折口信夫全集 2」中央公論社
1995(平成7)年3月10日初版発行
初出:「古代研究 第一部 民俗学篇第一」
1929(昭和4)年4月10日
※底本の題名の下には「昭和二年八月頃草稿」と書かれています。
※底本では「訓点送り仮名」と注記されている文字は本文中に小書き右寄せになっています。
※平仮名が小書きになっているところは底本通りにしました。
入力:門田裕志
校正:多羅尾伴内
2006年3月21日作成
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