いらつめ》様は、月ごろかかって、唯の壁代《かべしろ》をお織りなされた。
あったら 惜しやの。
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はり[#「はり」に傍点]が抜けたように、若人たちが声を落して言うて居る時、姫は悲しみながら、次の営みを考えて居た。
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「これでは、あまり寒々としている。殯《もがり》の庭の棺《ひつぎ》にかけるひしきもの[#「ひしきもの」に傍点]―喪氈―、とやら言うものと、見た目にかわりはあるまい。」
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   二十

もう、世の人の心は賢《さか》しくなり過ぎて居た。独り語りの物語りなどに、信《しん》をうちこんで聴く者のある筈はなかった。聞く人のない森の中などで、よく、つぶつぶと物言う者がある、と思うて近づくと、其が、語部の家の者だったなど言う話が、どの村でも、笑い咄《ばなし》のように言われるような世の中になって居た。当麻語部《たぎまのかたりべ》の嫗《おむな》なども、都の上※[#「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1−91−26]《じょうろう》の、もの疑いせぬ清い心に、知る限りの事を語りかけようとした。だが、忽《たちまち》違った氏の語部なる
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