たちの見ぬ様に、笠を深々とかずき、其下には、更に薄帛《うすぎぬ》を垂らして出かけた。
一時《いっとき》たたぬ中に、婢女ばかりでなく、自身たちも、田におりたったと見えて、泥だらけになって、若人たち十数人は戻って来た。皆手に手に、張り切って発育した、蓮の茎を抱えて、廬《いおり》の前に並んだのには、常々くすり[#「くすり」に傍点]とも笑わぬ乳母《おも》たちさえ、腹の皮をよって、切ながった。
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郎女様。御覧《ごろう》じませ。
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竪帳《たつばり》を手でのけて、姫に見せるだけが、やっとのことであった。
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ほう――。
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何が笑うべきものか、何が憎むに値するものか、一切知らぬ上※[#「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1−91−26]《じょうろう》には、唯常と変った皆の姿が、羨《うらやま》しく思われた。
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この身も、その田居とやらにおり立ちたい――。
めっそうなこと、仰せられます。
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めっそうな。きまって、誇張した顔と口との表現で答えることも、此ごろ、この小社会で
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