だがやっぱり、おとといの道の続きを辿《たど》って居るらしい気がする。
水の面からさし入る月の光り、そう思うた時は、ずんずん海面に浮き出て来た。そうして悉《ことごと》く、跡形もない夢だった。唯、姫の仰ぎ寝る頂板《つしいた》に、ああ、水にさし入った月。そこに以前のままに、幾つも暈《かさ》の畳まった月輪の形が、揺めいて居る。
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のうのう 阿弥陀《あみだ》ほとけ……。
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再、口に出た。光りの暈は、今は愈々《いよいよ》明りを増して、輪と輪との境の隈々《くまぐま》しい処までも見え出した。黒ずんだり、薄暗く見えたりした隈が、次第に凝り初めて、明るい光明の中に、胸・肩・頭・髪、はっきりと形を現《げん》じた。白々と袒《ぬ》いだ美しい肌。浄《きよ》く伏せたまみ[#「まみ」に傍点]が、郎女《いらつめ》の寝姿を見おろして居る。かの日の夕《ゆうべ》、山の端に見た俤《おもかげ》びと――。乳のあたりと、膝元とにある手――その指《および》、白玉の指。姫は、起き直った。天井の光りの輪が、元のままに、ただ仄《ほの》かに、事もなく揺れて居た。
十四
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