で歩く、跫音《あしおと》だろう。
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つた。
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郎女は刹那《せつな》、思い出して帳台の中で、身を固くした。次にわじわじ[#「わじわじ」に傍点]と戦《おのの》きが出て来た。
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天若御子《あめわかみこ》――。
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ようべ、当麻語部嫗《たぎまのかたりのおむな》の聞した物語り。ああ其お方の、来て窺《うかが》う夜なのか。
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――青馬の 耳面刀自《みゝものとじ》。
刀自もがも。女弟《おと》もがも。
その子の はらからの子の
処女子《おとめご》の 一人
一人だに わが配偶《つま》に来よ
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まことに畏《おそろ》しいと言うことを覚えぬ郎女にしては、初めてまざまざと、圧《おさ》えられるような畏《こわ》さを知った。あああの歌が、胸に生き蘇《かえ》って来る。忘れたい歌の文句が、はっきりと意味を持って、姫の唱えぬ口の詞《ことば》から、胸にとおって響く。乳房から迸《ほとばし》り出ようとするときめき。
帷帳がふわと、風を含んだ様に皺《しわ》だむ。
つい[#「つい」に傍点]と、凍る様な
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