最古日本の女性生活の根柢
折口信夫
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)語部《かたりべ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)神|憑《がか》り
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)大汝《おおなむち》[#(ノ)]命《みこと》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)上※[#「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1−91−26]
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一 万葉びと――琉球人
古代の歴史は、事実の記憶から編み出されたものではない。神人に神|憑《がか》りした神の、物語った叙事詩から生れてきたのである。いわば夢語りとも言うべき部分の多い伝えの、世を経て後、筆録せられたものに過ぎない。日本の歴史は、語部《かたりべ》と言われた、村々国々の神の物語を伝誦する職業団体の人々の口頭に、久しく保存せられていた律文が、最初の形であった。これを散文化して、文字に記したのが、古事記・日本紀その他の書物に残る古代史なのである。だから成立の始めから、宗教に関係している。神
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